そういち総研

世界史をベースに社会の知識をお届け。

近代史

株式会社の誕生とその意義・「起業」が近代社会を切りひらいた

はじめに 株式会社は、近代社会の核となった重要な制度だ。この制度はいつ頃どのようにして生まれたのか?また、どのような意味を持つものだったのか?ヨーロッパで始まった近代社会では、物理・化学などの科学と、それを応用した科学技術が、社会を発展させ…

リベラル(リベラリズム)・保守・新自由主義・ポピュリズムとは さまざまな政治思想・主義の入門的な解説

選挙などで政治がとくに話題になるとき見聞きする「リベラル」「保守」「新自由主義」などの、政治的立場にかかわる用語。それらの意味や成り立ちについて解説します。 目 次 リベラルとは何か リベラルの歴史 保守とは何か 保守の歴史 保守と革新・戦後の日…

スペイン・インフルエンザ(スペイン風邪)における大正時代の日本政府の対応・今のコロナ禍との比較

はじめに 最近、速水融『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』(藤原書店、2006)を読み返した。第一次世界大戦末期の1918年から終戦直後の1920年まで世界的に流行した、「スペイン風邪」ともいわれたインフルエンザの、日本での状況について述べた本であ…

初心者にも核心がわかる・明治維新とは何だったのか

そもそもの説明 明治維新とは、とりあえずの説明としては「徳川幕府による支配体制が倒され、明治政府の新体制が成立した変革」のことです。明治維新という変革をどう評価するのか。歴史的にどういう意義があったのか。つまり、明治維新とは何だったのか。そ…

世界史の中のベートーヴェン・「市民のお抱え音楽家」の先駆け

今年2020年はドイツの作曲家ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)の生誕250年。そこでベートーヴェンについて、いろいろと取り上げられています。本記事では、その人物像や音楽そのものよりも、「世界史の大きな流れのなかにベートーヴェンの…

ベネチア(ヴェネツィア)共和国の歴史に学ぶ、ゆるやかで幸福な没落

目 次 これからの繁栄の基盤は? ベネチア(ヴェネツィア)の発祥 貿易の発展・最盛期へ 環境の変化 ベネチアと日本の歩みの共通点 変化への対応 1600年代における経済の再編 「文化国家」への変貌 1700年代の「観光立国」化 これからの日本の選択肢「ベネチ…

最初の近代的巨大都市・1800年代のロンドン

1800年代のロンドンは、最初の近代的巨大都市である。人口が「数百万人」という規模の都市は、イギリスのロンドンが史上初めてだった。1800年代のロンドンについて、インフラなどの、おもにハード面の整備状況をみてみよう。今の都市生活の基本になるものの…

アメリカ合衆国憲法の制定過程・議論と説得によって成立した憲法

アメリカ合衆国の基本設計といえる合衆国憲法は、どういうプロセスで生み出されたのか。建国時のアメリカは、辺境の小さな共和国に過ぎなかった。それが200年以上経ち、世界最強の超大国になった今も、政治の基本システムは変わっていない。それは連邦制、三…

鉄道発祥の国・イギリスの鉄道網は、どのような資金や組織によってつくられたのか

鉄道の歴史というと、車両などの技術面にかんする話が多い。しかしそれだけではなく、鉄道がどのような社会のしくみによって生み出されたのか、ということも重要である。つまり、どんな資金や組織によって鉄道は建設されたのか? それを、鉄道発祥の国・イギ…

三権分立のほんとうの意味・アメリカ合衆国の基本設計

「三権分立」は、教科書でもおなじみの、政治のしくみに関する基本原理である。しかし、そのほんとうの意味を理解している人は少ない。三権分立は、じつは権力の相互けん制や均衡のしくみなどではない。このことを、本格的な三権分立のしくみを最初に採用し…