テーマ史
はじめに この世界には「狭間の国」といえる国家が存在します。複数の大国に囲まれ、たえずその勢力争いに巻き込まれてきた国です。 今世界から注目されるウクライナは、典型的な「狭間の国」といえるでしょう。以下、その視点でウクライナの歴史をざっと述…
はじめに 株式会社は、近代社会の核となった重要な制度だ。この制度はいつ頃どのようにして生まれたのか?また、どのような意味を持つものだったのか?ヨーロッパで始まった近代社会では、物理・化学などの科学と、それを応用した科学技術が、社会を発展させ…
選挙などで政治がとくに話題になるとき見聞きする「リベラル」「保守」「新自由主義」などの、政治的立場にかかわる用語。それらの意味や成り立ちについて解説します。 目 次 リベラルとは何か リベラルの歴史 保守とは何か 保守の歴史 保守と革新・戦後の日…
アラビア科学のさまざまな成果をみわたす 前回の記事(アラビア科学の歴史1)で、中世のイスラムの国ぐには世界の繁栄の中心で科学研究がさかんだったこと、その科学が古代ギリシアの遺産を受け継いだものであることを述べた。本記事では最盛期のアラビア科…
楷書・行書・草書 漢字の書体で、私たちがまず習うのは楷書(かいしょ)という、字画を略したり続けたりせず、きちんと書く書体です。そのような「きちんとした公式な書体」のことを「正書体」といいます。私たちが役所などに出す公的な書類は、楷書で書くこ…
目 次 これからの繁栄の基盤は? ベネチア(ヴェネツィア)の発祥 貿易の発展・最盛期へ 環境の変化 ベネチアと日本の歩みの共通点 変化への対応 1600年代における経済の再編 「文化国家」への変貌 1700年代の「観光立国」化 これからの日本の選択肢「ベネチ…
目 次 「アンチ都市」の主張 文明の副作用をどうするか メソポタミア文明の都市化率 100万人都市ローマという到達点 1800年代ロンドンの環境改善 文明国で都市が衰退した事例 都市が衰退するのは、きびしい・不幸な時代 「アンチ都市」の主張 日本経済新聞(…
「感染症の大流行がその後の社会に与えた影響」を考えるうえで、よく引き合いに出される「中世ヨーロッパのペスト」の事例。これは、じつはあまり参考にならない。発展途上の新興地域だった当時のヨーロッパと、成熟社会の現代の先進国とでは、条件がちがい…
紙の発明・普及は、社会に流通する情報量の大幅な拡大、文章や図表などの表現方法の発達をもたらした。さらには行政やビジネスの精緻化、文化の洗練にもつながった。新しいメディアの登場が社会に及ぼした影響の範囲は広く、深かったのだ。この変化は、現代…
先日(2020年4月19日)、当ブログでは「感染症は、文明に必然的に伴う副作用である」ということを述べた記事をアップしました。本記事は、その続きです。「感染症とは人類にとって何か」を考える前提となる、とくに知っておくべき、甚大な被害をもたらした世…
トランプ大統領は、アメリカとメキシコの間の国境に壁を建設・整備しようとしている。このような、文明の中心部へ周辺の人びとが侵入するのを防ぐための壁は、有史以来くり返し建設されてきた。そして、そのような壁は、長期的にみればくり返し破られてきた…
インド人は、いつの時代からカレーを食べているのだろうか? この問いに自信と根拠を持って答えられる人は、そうはいないだろう。「昔から食べてるんじゃないの?」としかいえないのが、ふつうだ。この問いについて調べてみると、インド史の成り立ちや、国の…
世界史を理解するための基礎知識に、「ヨーロッパ」という概念がある。ヨーロッパとは何かを理解するには、カトリックや東方正教などのキリスト教についての知識が必要である。そして、それらの宗派の成立の背景には、ローマ帝国の歴史もかかわっている。ま…
震災で停電のときに役立つ、たとえばアルミカップに油を入れてティッシュの灯芯に火をともす簡易な照明。これは、文明のはじまりの時代に生まれたオイルランプと基本的には同じものだ。目 次 震災のときの簡易なあかり 最初の文明のあかり 燃料はすすが出な…