そういち総研

世界史をベースに社会の知識をお届け。

このブログについて

世界史をベースに、社会の知識をお届けします。こまかい事柄にとらわれず、大きな流れや全体像をとらえることを大事にしています。世界史は、さまざまな教養の基礎になります。それを初心者にもわかりやすく。しかし一歩深く踏み込んで。あるいは大きな見取…

ファクターXの根底にあるのは「個人主義の弱さ」か?

目 次 マスクと手洗い 感染は自業自得か 人口あたりの感染者数 東アジアの共通性 個人主義が弱く、かつ経済発展が進んでいる 東アジア的アプローチの限界 合理的アプローチが弱かった日本 マスクと手洗い 「ファクターX」とは、ノーベル賞の山中伸弥教授が…

おすすめできる、大人のための世界史の通史の本

「低コスト」の「手堅い本」をご紹介 ときどき、「世界史の本で何かおすすめはありませんか?」と聞かれます。私そういちとしては、自分が書いた世界史の通史の本があるので、まずはそれをおすすめしたいのが本音です。でも、ご質問は「あなたの本以外で何か…

感染症によって、世界はどう変わってきたか。新型コロナ以後どうなるのか

当ブログでは、このところ「感染症とは人類にとって何か」というテーマに沿った記事を続けてアップしています。2020年4月19日の記事では「感染症は、文明に必然的に伴う副作用」であるという、基本となる見方を述べました。4月23日には「とくに知っておくべ…

大きな被害をもたらした感染症の歴史 ペスト、コレラ、天然痘、インフルエンザ

先日(2020年4月19日)、当ブログでは「感染症は、文明に必然的に伴う副作用である」ということを述べた記事をアップしました。本記事は、その続きです。「感染症とは人類にとって何か」を考える前提となる、とくに知っておくべき、甚大な被害をもたらした世…

感染症は、文明に必然的に伴う副作用である。それを新型コロナを通じて再認識した。

「感染症とは人間にとって何か」ということを、新型コロナの問題に直面している今、考えてみたいと思います。私の場合は、それを世界史を通して考える、ということになります。 目 次 感染症は文明の副作用 都市文明以前・以後 絶えず苦しんできた歴史 「文…

歴史からみるイスラム入門 ムハンマドからアッバース朝成立までのイスラームの形成期

まえがき この記事では、イスラム教あるいはイスラム世界というものがどのようにして成立したかについて初心者向けに解説していきます。つまり歴史からみる「イスラム入門」です。ただし、断片的な通りいっぺんの説明ではなく、かなり系統的に、それなりに踏…

専制(独裁)国家・中国の社会構造と行動の特徴 新型コロナウイルス(新型肺炎)への対応からみえるもの

今回の新型コロナウイルス(新型肺炎)の問題への一連の対応には、中国の社会構造や行動パターンの特徴がよくあらわれている。それは一言でいえば「やはり中国は独裁(専制)国家」ということだ。そして、中国と対比することで、日本の特徴もみえてくる。日…

ゲルマン人の「民族大移動」と西ローマ帝国崩壊の経緯。また、なぜ西ローマは滅び東ローマは残ったか

西暦400年代後半の、ゲルマン人の侵入や内乱による西ローマ帝国の崩壊。これは、「巨大な世界史的変動がどのように起きるか」についての重要なケース・スタディである。世界の「中心」として繁栄してきた超大国が、周辺民族の圧力などによってそれまでの体制…

ビザンツ帝国=東ローマ帝国とはどういう国だったか・そして現代世界とビザンツの共通性

かつて、ビザンツ(ビザンチン)帝国=東ローマ帝国という国があった。西暦400年代以降、ローマ帝国の東半分の地域(バルカン半島、アナトリアなど)で栄えた、古代ローマ帝国の末裔である。この国は長く続いた。その滅亡は1453年。この年、当時のイスラムの…

古代・中世・近代という世界史の時代区分(三区分法)についての基礎知識

時代区分とは、歴史的な時間の流れをいくつかに区分することだ。多くの場合、その区分ごとに名前がつけられる。最もおなじみなのは、日本史の「奈良」「平安」「鎌倉」「室町」…といった「〇〇時代」の区分だろう。世界史の時代区分では、「古代―中世―近代」…

15分で読む・初心者のための世界史まとめ 5000年の大きな流れを短時間で見わたす

世界史5000年余りの大きな流れを、15~20分で読める分量でまとめてみた。各時代の世界で最も繁栄した「中心」といえる地域に焦点を合わせ、その移り変わりを追いかけるという方法で述べている。「あれもこれも」と盛り込もうとせず、多くのさまざまな国や地…

日本と世界の文化で創造の活力が低下している? 今年見た展示などを振り返って・高畑勲展ほか

今年2019年に見にいったいくつかの展示や作品……建設中の国立競技場、高畑勲展、建築家のアアルトやル・コルビュジエ、現代芸術のトム・サックス展。どれも興味深かった。一方で「今の時代は画期的な新しいものが生まれにくくなっている」という、創造におけ…

大人のための世界史の勉強法 詰め込み過ぎずに大きな流れをつかむことに徹する

なぜ世界史の勉強はむずかしいか 学校の授業でも、教養目的でも、世界史は勉強がむずかしいといわれます。なぜでしょうか。それは、対象範囲がきわめて広いからです。なにしろ対象が「世界」です。出てくる国や民族、事件や年号が膨大です。そして学校の教科…

久し振りの「怒れる若者」 グレタ・トゥンベリさんの演説

かつての「怒れる若者」の時代 9月23日、国連の「気候行動サミット」で怒っていたグレタ・トゥンペリさん。16歳、スウェーデンの環境活動家。おそらく今の世界で一番有名な環境活動家だ。集まったエライ人たち――結局何も決められなかった――に対し「あなたた…

繁栄の中心で起こる「大企業病」が、中国やイスラムの衰退をもたらした原因

世界史において、「世界の繁栄の中心」「覇権国」といえるような各時代を代表する強国・大国は時代とともに移り変わってきた。どれほど繁栄した国であっても、その勢いが永久に続くことはない。たとえば数百年前には、中国の王朝やイスラムの帝国は世界のな…

5分で知る・日本が太平洋戦争(アメリカとの戦争)へ突入していった経緯

日本がアメリカ・中国などの連合国と戦った太平洋戦争(1941~45)。それはナチス・ドイツと連合国(イギリス、ソ連など)の戦争と合わせて、第二次世界大戦(1939~45)の一部分である。日本が大戦争に至るまでの経緯を、5分で読めるくらいにごく簡単にまと…

人類は壁をつくってきた メソポタミア、万里の長城からメキシコ国境のトランプの壁まで

トランプ大統領は、アメリカとメキシコの間の国境に壁を建設・整備しようとしている。このような、文明の中心部へ周辺の人びとが侵入するのを防ぐための壁は、有史以来くり返し建設されてきた。そして、そのような壁は、長期的にみればくり返し破られてきた…

貿易ネットワークの崩壊が鉄器時代をもたらした? 鉄器時代の開始という大革新はなぜ起こったのか

鉄器の発明・普及というのは、世界史における最大級の技術革新のひとつだろう。製鉄がいつ・どこで始まったのか、つまり「製鉄の起源」については、じつははっきりしない点が多く、ここでは立ち入らない。しかし、鉄器の「普及」がいつ・どこで始まったか、…

「言語系統による人類の分類」という考え方 「民族の系統」とはどういうことか

世界にいるさまざまな人びとをグループ分けするとき、最も一般的なのは「民族」という単位で分類・整理することだろう。「民族とは何か」については、さまざまな議論があるが、一応は「言語をはじめとする文化を共有する集団」だといえる。文化のさまざまな…

ヘレニズム時代とは何か 「古代ギリシアの普遍化」がなされた時代

ヘレニズム時代とは、おもに地中海沿岸とその周辺地域における時代区分で、アレクサンドロス大王の東征(アケメネス朝ペルシアなどへの進軍)が始まった紀元前300年代前半から紀元前1世紀後半までを指す。その時期は、一般には「古代ギリシア」と「ローマ帝…

インド人はいつからカレーを食べているか

インド人は、いつの時代からカレーを食べているのだろうか? この問いに自信と根拠を持って答えられる人は、そうはいないだろう。「昔から食べてるんじゃないの?」としかいえないのが、ふつうだ。この問いについて調べてみると、インド史の成り立ちや、国の…

近代社会を精いっぱい生きた、「近代人」の典型 ベンジャミン・フランクリン

ベンジャミン・フランクリン(1706~1790 アメリカ)は、ワシントン、ジェファーソンと並ぶアメリカ独立の功労者で、電気学などの科学研究や、さまざまな社会事業で活躍した。哲学や社会科学の分野でも業績がある。アメリカでは最もおなじみの偉人の1人であ…

ヨーロッパとは何か・その定義

世界史を理解するための基礎知識に、「ヨーロッパ」という概念がある。ヨーロッパとは何かを理解するには、カトリックや東方正教などのキリスト教についての知識が必要である。そして、それらの宗派の成立の背景には、ローマ帝国の歴史もかかわっている。ま…

ローマ皇帝はアメリカ大統領のようなもの 最盛期のローマ帝国の政治体制

ローマは紀元前1世紀末に地中海を囲む巨大な帝国となり、その後西暦200年頃までが最盛期だった。なぜローマは強大化したのか?その基礎には国家全体で団結し力を結集し得る政治体制があった。その体制はエリートが支配する貴族政的な面と民主政的な面が混在…

2019年10月26日 世界史「超要約」セミナー開催

私そういちは、世界史について語りあうセミナーの活動を行っています。2017年の終わりに始めて、今回で6回目。採算的にはほぼトントンでやっているのですが、世界史に関心を持って来てくださったお客さんとの対話は、貴重なものなのです。今までにもいろんな…

ルソー的文明批判の現代版 『サピエンス全史』の「農業は詐欺」

2016年に日本語版が発売されたユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(上・下)』(河出書房新社)はベストセラーとなった。この本の「文明によって人類は幸福になったのか?」という問いかけを新鮮に感じた人は少なくない。そして、その「根本的」な文明…

2018年12月9日 世界史「超要約」セミナー開催

私そういちは、世界史について語りあうセミナーの活動を行っています。 2018年12月9日(日)に西新宿で下記のセミナーを開催します。今年は3月、8月に続き3回目。半日(5時間)で世界史5000年の流れを一気にみわたすというもの。今回はとくに近現代史に時間…

古代のグローバル文明と海の民・前1100年代における崩壊

紀元前1500~1200年頃、西アジア(古代オリエント)では、青銅器文明が円熟期をむかえていた。しかし紀元前1100年代に入る頃から、西アジアの全体が大きな混乱に陥っていった。それまで有力だった国家や都市がつぎつぎと崩壊し、貿易も激減してしまった。そ…

「文明の始まり」の時代の国家・都市国家から領域国家へ

5000~4000年前の「文明の始まり」といえる時代の国家はどのようなもので、どんな経緯で発展していったのか? この記事では、紀元前の西アジアにおける「国家のあり方」について述べる。国家のスケールの拡大や、その統合のかたちの変化などを、おおまかに追…